のうかのたまご

アラサーOLが脱サラして農家を目指すブログ

『東大卒、農家の右腕になる。』農業経営ってよくわからない!がよくわかる本

こんにちは。

最近、新規就農関係の本を読み漁っている、まひろです。

 

数ある農業関連書籍の中で

「新規就農の心構え」として書かれていることのひとつが、

「新規就農は起業と一緒。きちんと経営しましょう!」

 ということです。

 

なるほど。確かにそうだよね。

サラリーマンみたいにお給料をもらえるわけじゃないし 、

自分で事業計画を作って経営しなきゃいけないし。

 

あれ、でも待って....

 

「そもそも農業経営ってなんだろう?

 

統一した意思(経営主体・経営者)が、一定の目的をもって土地、労働力、資本などの要素を結合し、農産物の生産・処分を行う継続的な組織体を農業経営という。

 コトバンク「農業経営」日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

 

うーん、定義はわかるけど、

実際になにをしているのかがわからない。

そもそも、農畜産物を生産する以外の部分で

農家の人ってなにをしているんだろう?

 

そんな疑問がぐるぐる渦巻く中、出会ったのがこの本です。

 

『東大卒、農家の右腕になる。小さな経営改善ノウハウ100』佐川友彦

東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100

  

 

1 農家の経営ノウハウ集

「どうせ、東大エリートのサクセスストーリーでしょ?」

と思った方、ちょっと待ってください。

いわゆる「成功者のビジネス書」とは違うんです。

 

農家の「経営」を改善し、
今までのやり方を
守りながら、変えていく。

「何が問題なのかわからない…」
「誰に聞いていいかわからない…」
「変わりたいけど、どうしたらいいかわからない…」

そんな悩みを抱えるすべての農業生産者の方々へ、
今日からできて、すぐに効果が出る、
小さな100の「課題解決ドリル」を手渡します。

クラウドファンディングで440%の支持を集め公開された
「阿部梨園の知恵袋/農家の小さい改善実例300」の中から、
多くの農家に共通し、すぐ着手できて、すぐに効果が出る、
100のノウハウを凝縮してお届けします。

100の項目は、
経営、総務、会計、労務から、
スタッフとのコミュニケーション、
生産管理、商品、販売、PRまで、
「生産技術」以外のすべての農家の仕事を
網羅しています。

やれることから1つずつ取り組むことで、
農家の経営を確実に前に進める、
はじめての「農家の経営ノウハウ集」です。

——

100のノウハウのベースになっているのは、
栃木県の小さな梨農家「阿部梨園」の実例です。

外資系企業でビジネスの経験を積んだ著者は、
まったくの農業未経験の立場で農家に就職し、
3年で500件を数える業務改善を地道に実行しました。

本書では、100のノウハウの他に、
著者が阿部梨園に携わった時から
経営改善を実現した今に至るまでの
ノンフィクションストーリーを、
同時掲載しています。

どのノウハウが、どのような効果をもたらすか、
ご自分の農園の状況と照らし合わせ
追体験していただきながら、
お役立ていただければ幸いです。

Amazon 商品の説明より

 

本当にざっくり言うと、

農業経営を改善するための100のノウハウと

その実践の過程が2部構成でまとめられています。

 

この2部構成が、書籍としての魅力に相乗効果をもたらしていることや

佐川さんの自分を飾らないストーリーが読み手を感動させる点は

マイナビ農業がしっかりと紹介をしているので、ここでは省略させてもらいます。

 

agri.mynavi.jp

 

私が伝えたいのは、

「農業経営ってよくわからない」

という疑問を言語化してくれているところ

この本の最大の魅力だということなんです。

 

2 農業経営の「わからなさ」がよくわかった 

「農業経営において、日常業務レベルのノウハウが網羅されている情報源は存在しない」ということです。(中略)生産法人を立ち上げて成功された方の農業ビジネス書はいくつもありましたが、物語調の成功体験談が中心で、網羅的な実務テクニックはあまり紹介されていませんでした。」

『東大卒、農家の右腕になる。」より引用 

 

まさにそうなんです!

私が求めているのは「成功した人のサクセスストーリー」じゃなくて

実際に農家の人がなにをしているか、という話なんです。

 

今までの農業関係の書籍は、

 

「ブルーベリー観光農園が儲かる!」

農業生産法人を作って、規模拡大だ!海外輸出だ!」

「少量多品目の有機栽培で付加価値を高めるんだ!」

 

という、著者が成功したビジネスモデルしか書いていないんですよね。

あくまでも、その人固有の「ケース1」でしかない。

 

私は、観光農園をやるつもりはないし、

慣行農法で農協出荷するつもりなんだけど、

なんも参考にならないじゃん!

 

 と思っていました。

 

でもこうして言語化してもらったおかげで

農業経営の実務レベルの話が語られないのは

「業界の中でそもそも経営ノウハウが共有されていないから」

という理由が見えました。

 

さらに第2部の「小さな経営改善ノウハウ100」によって

私のような農業未経験の人間でも

農業経営の実務が、イメージできるようになるという仕掛け。

 

しかも生産から経営、PRに至るまで幅広くカバーしているので

辞書のように、気になった項目をその都度開きながら使えそうです。

 

3 勝手に書籍化第2弾を希望!

これは本当に私が思っているだけのことですが、

勝手に書籍化第2弾を希望します。

これから農業を始める人向けに

農業経営開始のノウハウを書籍化して欲しいな〜

なんて妄想しています。笑

「小さく農業を始めるためのステップ100」

とかどうでしょう?笑

 

まあ、冗談はさておき、

『東大卒、農家の右腕になる。』の感想を

新規就農者の目線で好き勝手書いてきましたが、

今現在農業経営をしている人も、非農家の方でも

参考になる部分がたくさんある本です。

 

ぜひ読んでみてください。

 

おすすめ度★★★★★