のうかのたまご

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『農ガール、農ライフ』のあらすじと感想!新規就農者におすすめ?

今週のお題「読書感想文」 

 

「新規就農の流れがわかりやすく書いてある」

という評判をネットで見かけて、手に取ったのが

 

『農ガール、農ライフ』垣谷美雨・著

農ガール、農ライフ

 

カラフルな野菜が並んだ中に、凛とした表情でたたずむ女性。

優しいタッチで描かれたイラストの表紙に一目惚れ。

新規就農のこともわかるなら一石二鳥.....!と読んでみました。

 

 

 

1 あらすじ

「結婚を考えている彼女ができたから、部屋を出て行ってくれ」派遣ギリに遭った日、32歳の水沢久美子は同棲相手から突然別れを切り出された。3年前、プロポーズを断ったのは自分だったのに。仕事と彼氏と家を失った久美子は、偶然目にした「農業女子特集」というTV番組に釘付けになった。自力で耕した畑から採れた作物で生きる同世代の輝く笑顔。――農業だ! さっそく田舎に引っ越し農業大学校に入学、野菜作りのノウハウを習得した久美子は、希望に満ちた農村ライフが待っていると信じていたのだが……。

 Amazonの「内容」より

 

32歳独身、職なし、彼氏なしの主人公・久美子が

たまたまテレビで見かけた「農業女子」に憧れを抱いて

農業の世界に飛び込んでみたら......というお話。

 

農業に縁もゆかりもなかった主人公が、

農業大学校で一から農業を学び、

農地取得の壁にぶつかったり

販路を見つけるのに奮闘したりします。

 

テンポよく話が進むうえ、

前向きに頑張る主人公の姿は応援したくなります。

小説として読む分には読みやすい本だと言えます。

 

ただ、農業の話を期待していた私からすると

ちょっともの足りない部分もありました......。

 

2 新規就農の流れは「ざっくり」わかる。

(※ネタバレあります。ご注意ください。)

 

主人公・久美子は、農家を目指して新規就農します。

当たり前ですが、久美子のケースは新規就農の一例でしかなく、

しかも割と、稀な方じゃないかと思うのです。

 

農業技術もなく、農地もなく、農家の親戚がいない人が

農業に新規参入する場合はいくつかのパターンがあります。

 

農業大学校に通って農業技術を身に付けてから、就農

・農業研修生として先進農家の元で研修をうけてから、就農

農業生産法人で働きながら、農業技術を身に付けて、就農

 

大きく分けると、この3つ。

(他にも地域おこし協力隊制度を利用したり、農家に弟子入りするなどの方法もありますが......) 

 

久美子の場合は、農業大学校に通うケースです。

さらに有機農法で野菜を生産し、インターネットで直販するスタイル。

全体でみると、このケースの新規就農者は少ないのではないでしょうか。

その点を踏まえて、「こんな就農の仕方もあるんだな〜」と

エッセンスとして読むのが良いでしょう。

 

3 農というより、フェミニズム色強め。

 

さらに気になったのは、農業というよりもフェミニズム色が強めなところです。

農村社会で暮らしていくのなら避けて通れない話かもしれませんが、

個人的には、もう少し農業の話にフォーカスして欲しかった。

 

久美子が農家の婚活パーティーに参加するシーンがあるのですが

その描写が、長い!笑

途中から、農業の話ではなく「農村での女性の生き方」

みたいな話に替わっています。

 

そして、登場人物のキャラ設定が濃い。

・新聞記者のキャリアに挫折したママブロガー

・男女平等に意識の高い大家さん

・女性を見下す婚活パーティーの参加者(男性)

おそらくメッセージ性を強めるためでしょうが、

 キャラクターのアクが強く、嫌味な感じになってしまっているのが残念です。

 

4 まとめ

ここまでいろいろと書いてきまいしたが、

小説として読むには、それなりに面白い作品だと言えます。

「NOガール NOライフ」というタイトルからわかるように

農業の話よりも、農村における「女性の生き方」を描いている作品なので

その点を理解して読むのがおすすめです。

 

 

 おすすめ度★★★☆☆

 

 

農ガール、農ライフ

農ガール、農ライフ